鈴木貴男の「ダブルス講座」で勝ちパターンをとポジショニングを学ぼう

みなさんダブルスしてますか?
と言っても、サークルに入っていたり、スクールに通われている方だと、
ほとんどダブルスの練習やゲーム形式かもしれません。

ダブルスはコート内にいるプレーヤーの数が増えるので、戦略性が高いです。
ということは、シングルスよりも実力に依存しないのでアップセットが起きやすく、
自分の実力以上の相手にも勝てるチャンスが多いのではないでしょうか!

例えば、
5の実力を持つプレーヤーが2人がペアのとき、5+5=10の実力となりますが、
コンビネーションが良い3の実力を持つプレーヤー2人なら、
3×3=9「1」の差にできます!
1の差であれば、勝てる見込みが出てきますね。

そんな「+」が「×」になる秘訣、戦略のポイントがたくさん込められた本を見つけました。
ダブルスを1から学び直すのにとても役立ったので、皆さんにもオススメしたいです。

鈴木貴男さんとダブルス(本の内容もざっくりと)

鈴木貴男さんのダブルスといえば、
やはり2005年のAIGジャパンオープン(今の楽天ジャパンオープン)を優勝したことでしょうか。

個人的には、数年前のトヨタチャレンジャーにて、
近藤大生選手と組んだダブルスの試合を観戦した際に、
ボレーの上手さはもちろんのこと、
ド派手なショットよりも相手をいなして勝ちを引き寄せていたのが印象的でした。

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そんな鈴木貴男さんが書かれた「ダブルス講座」ですが、
タイトルに「講座」と名がついていることもあり、かなり充実した内容。

・ダブルスはポジショニングで勝つ
・ポジショニングの基本と応用
・前衛の戦術と攻撃法
・レシーバー側の戦術
・陣形別の戦術
・サーバー側の戦術
・ダブルスに強くなる心得と練習法

と、見出しだけ見ても濃い内容なのが伝わってきます。

見開き2ページ分を図や写真をふんだんに使って、
一つの解説に費やしてくれている
ため、言葉だけで語られているよりも理解しやすいです。

初心者の方には、
これからのダブルス練習に向けて最短で上達するヒントになります。
ある程度経験されている方には、
細かい状況別で、自分が取るべき最善のショットやポジションが学べますよ。

内容が濃すぎて、一つ一つを軽く紹介するのも難しいため、
いくつかのポイントに絞って、実戦的かつ興味深かったことを書いていこうと思います。

ポジショニングを見るだけで、相手のレベルがわかる

ダブルスの練習として、平行陣になることも多いと思いますが、
どんなポジショニングを意識していますか?

僕は「コートを縦に2分割して半分を自分が守る」みたいなことをやってしまうのですが、
これは間違いだそうです!
なぜなら、ラリー中に飛び交うボールは
ほとんどシングルスコートのエリア内に収まる
から。

単純に2分割してしまうと、あまりボールが飛んでこないアレーの部分を意識しすぎて
攻めることができるボールを見送ってしまう原因になってしまうんですね。

ダブルスコート = シングルスコート+アレー なので、
ついつい全てをカバーしたくなりますが、
飛んでこないボールのことばかり考えていてもしょうがない

じゃんけんに例えるなら、
相手があまり出さない「グー」にばかり意識をしてしまうよりも、
「パー」を出してきたときに勝てる「チョキ」を出して勝つ回数を増やす、みたいな話でしょうか。

相手のレベルがわかると言及されている理由として、
うまい人たちは、センターをしっかり埋めるようなポジションをとるから。
これができるペアは、それだけでダブルスのセオリーを理解しているとみていいそうです。

なぜセンターを埋めるべきかというのは、別の内容と関連してくるので後述しますね。

ファーストボレーは深くが正しい?

攻めパターンとして最初に学ぶのが、
サービスダッシュからのボレー
ではないでしょうか。
スクールの練習でもよく見かけますし、ダブルスの醍醐味ともいえます。

ファーストボレーは、基本的に深いボレーをすることで、
相手が差し込まれたりと、「構えて打つ」をさせないことが目的になります。
ですが、ただ深いだけだと相手にとって打ちやすいスピードのボールになってしまったり、
自分より強い相手だと、さらに打ち込まれたりしますよね。

そこで別の選択肢として、短いボールも使おうということが挙げられています。

その場で構えて打たれると厳しいボールがくる。
だから相手を動かしたいのですが、
コート内に2人いることで、左右に動かすことは難しい。

短いボールならどうでしょうか。
左右は難しくても前後に動かすことができます
深いボール・短いボールと選択肢が増えることで、
相手のポジションを迷わせることにもつながりますね。

短いボールを打つ時の注意点として、
バウンド後に浮かないような低く滑るボールが理想的
だそうです。

結構あるあるだと思うのですが、
サービスダッシュからボレーしたものの、
当たりが悪くて意図せずボールが短くなってしまうことってありますよね?
でも、そんなとき相手は前へと動かされてうまく返球できず、
意外とこちらのポイントになっちゃったりしませんか?

こういった状況を意図的に作るためにも、
短いボールは取り入れていくべきだと言えますね。

「してもいいミス」「よくないミス」がある

平行陣vs雁行陣に対するアドバイスとして、
「してもいいミス」「よくないミス」が紹介されていました。

まず「してもいいミス」とは、
超アングル

ストレート

ロブ

の3つのショットを打たれたことによるミスでした。

これはどの競技レベルでも簡単に狙えるショットではないので、
自分たちが悪かったと言うよりも、
相手がいいショットを打ってきた
ということで、
気持ちを切り替えたほうがいいそうです。

相手にとってミスするリスクも高いので、打たれることを恐れず、
自分たちがすべきことに集中するほうが、最終的に勝ちへと近づいてくるとのこと。

つづいて「よくないミス」とは、
お互いが見送ってしまいセンターを抜かれることになります。

理由として、相手からするとセンターへ打つボールは、
ネットが低いので打ちやすく、
少しくらい左右にズレてもアウトにはならないコースだから
だそうです。

「ポジショニングを見るだけで、相手のレベルがわかる」で取り上げた
センターをしっかり埋めるようなポジションというのは、
相手にとってリスクが低いショットは2人でしっかり返して、
ハイリスクなショットを選択させるプレッシャーをかける
、という戦略があるんですね。

実際の試合での、ミスの回数を調べてみた

なるほどと思いつつ、
実際の試合でミスの割合にはどのようになっているのか気になったので、
アマチュアとプロの試合動画でミスの回数を調べ、比較してみました。

比較するのは、
youtubeにアップされているアマチュアの方の試合

2018年ATPツアーのプロの試合
どちらかが6-4で取得したセットに限定し、
10ゲーム中に起こった両者のミスの合計回数を、3試合ずつ調べた形
です。

調べたミスの内容は、
・超アングル
・ストレート
・ロブ

「してもいいミス」と、
・センター抜かれ
「よくないミス」を合わせた4つのショット。
それぞれノータッチで抜かれた回数(3試合の平均、小数点以下は四捨五入)としました。

計測結果

アマチュア プロ
超アングル 1回 2回
ストレート 4回 3回
ロブ 5回 1回
センター 5回 1回

やはりアマチュアの方は、センターを抜かれる回数が多いですね。
ロブで抜かれやすいというのも、ポジショニングに関係してきそうです。

逆に、超アングルとストレートに関しては、そこまで差が見られませんでした。
超アングルは、アマチュアにとって技術的に難しく、
そもそも打ちにくい。
ストレートは、ノータッチに限るとアマチュアもプロも、
劣勢から形勢逆転を狙って打つ場面がほとんどでした。

他にも気になった点として、
アマチュアはミスで、
プロはエースでポイントが終わることが多かった
です。
単純なミスの数を調べてみたところ、
アマチュア:30 プロ:12
とおよそ2倍の差がありました。

プロの試合では、
出るべきところでポーチに出る、スマッシュを決める
といった場面が多い一方で、
アマチュアの試合は、
スマッシュやハイボレーのエラーなど決め切れずのミスや、
リターンでのミス
で終わる形が目立ちました。

なので、我々アマチュアがすべきことは、

・スマッシュミスを無くすこと
・出るべきボールでポーチに出ること
→ そのためのポジショニングをする
・1回でも多く相手に触らせること

に尽きますね。

ディフェンスする側から考えるなら、
とりあえずロブを上げとくのは悪い戦術ではない
という事がわかります。

ポジショニングのトレーニングとして、
シングルスコートだけでダブルス練習をするのが効果的みたいです。
アレーは無視できるので、自然とセンター寄りのポジションが身につきますし、
実際にデビスカップの日本代表の練習でも取り入られている
みたいなので、試してみたいですね!

リターンゲームでは相手のロブに対する能力を観察しよう

とくに試合の序盤でやってみて欲しい戦術として、
リターンをすべてロブで返してみる、というのがありました。

サーブがいい相手ならなおさら、ただリターンミスで終わってしまうより、
慣れるという意味で、ロブを上げてみる
というのは有効ですね。
・スマッシュがうまいのかヘタなのか
・積極的に打ってくるのか、繋いでくるのか

などなど、わかることも多いですし、
その試合でのするべき戦術の選び方が変わってきます。

自身がスマッシュが苦手だからなのもありますが、
こういう戦術をとってこられたら恐ろしいです。笑
スマッシュを打つというのは、
序盤だと決まってもドキドキしますし、ミスしたらそのあと打ちにくくなり
ますし。
同じように考える方けっこう多いのではないでしょうか。
リスクを負わせる目的にバッチリですね。

では、そうされたときはどう対処するのか。
まずポジションチェンジしようという考え方は捨てること。
簡単にパートナーに任せないで、
ロブは自分が取るボールだという気持ちを持つ。

ポジションチェンジをすることで、自分たちのポジションは崩れ、
相手にチャンスを与える
ことになる。
一度作った陣形で戦い続けることが大切だと書かれています。

まずは無理して決めにいかずに繋ぐなど、
自分の中でリスクが低いショットを選ぶこと。
ポジションを保つことが最優先だと考えて、
ロブへと対応することを忘れないようにしたいですね。

先ほどのミスの回数に関連してくる話ですが、
我々アマチュアはミスで終わるポイントが多いですから、
ある程度のレベルに達するまでは、
自分たちからミスをしてしまうような選択をしないということを意識したい
です。

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ここまでほんの一部ですが、
興味深かったことを紹介させていただきました。

他にも、
・リターンサイドの選び方
・ノーアドバンテージの戦い方
・ロブの打ち合いになったときの対策

などなど、盛りだくさんの内容となっています。

僕もまだまだ読み込みが足りていないので、
日めくりカレンダーのように毎日1つの内容ずつ、しっかり読み直していこうと思います。

みなさんもぜひ手にとって、ダブルスの醍醐味や勝ちパターンを学び、
楽しいテニスライフを送ってください!