ラケットが準備できたら、次に選ぶのが“ガット(ストリング)”。
ガットというのは、直接ボールが触れる糸みたいな部分のことです。
実はガットというのはすごい種類が多くて、細かい違いまで含めると100種類くらいはあるんじゃないでしょうか。
その中から選ぶってなると大変な気がするし、難しいことは置いといて早くボールを打ちたいですよね!
なので、ざっくり理解できるよう10分ほどで読める内容にまとめました。
ちゃちゃっと選んで、楽しいテニスデビューを迎えましょう!
そもそもガットの意味・役割って何?
ガットの種類や特徴を知る前に、まずは役割(ラケットとガットの関係性)だけ知っておきましょう。
これはステーキに置き換えると、わかりやすいかも。
ラケットをお肉として、コントロール系・パワー系・スピン系それぞれが、鶏肉・豚肉・牛肉くらい違う特徴を持っています。
そして、同じ牛肉の中でも神戸牛や近江牛、はたまたアメリカンビーフだったり、似ていることはあっても全く同じではありませんよね(同じスピン系ラケットでもメーカーによって若干異なる)。
自分の好みでお肉を選んで焼いて、さあステーキを食べようとしたとき、次に考えるのが何ソースをかけようかということ。
玉ねぎソース・和風おろし・わさび醤油などなど、選択肢がいろいろあります。
ソース・調味料を変えることによって、同じお肉でも違う味で食べることができますよね。
そんなソース・調味料の役割を果たすのが、ガット。
味の付け方で、全然違うラケットとして使うこともできちゃいます。
なので、いろんな種類のガットが存在しているんですね。
ここだけ抑えておこう! ガットの素材・太さ・テンションの3要素
では、洋風・和風・フレンチから甘さや辛さまで、ガットの味付け(性能)はどう区別されているのか。
性能を区別しているのは、反発性(ボールの飛び)・スピン性能・打感(打った感触)・耐久性などの項目です。
でも難しく考える必要はなく、今から紹介する3つの要素を抑えておけば、ガット選びに困ることはなくなります。
ガットの素材は大きく分けると3つ
まずガットの素材ですが、それぞれ特徴とともに見ていきます。
牛の腸から作られたもの。
打った感触は最高!飛びもいい!
ただし、耐久性が低いのと値段が高いのが難点。
“ナイロン”
ナイロン素材でできているもの。
種類や製法が豊富で、値段の幅も広い。
いろいろな特徴を持ったガットがある。
“ポリエステル”
名前の通り、ポリエステル素材でできているもの。
打球感は硬めで、ナチュラルやナイロンに比べると飛ばない。
耐久性が高いものが多く、回転もかけやすい。
そんな特徴を踏まえた上で、初心者の方が何を選ぶのがいいのかというと、“ナイロン”がオススメ。
飛びも悪くなく、耐久性もそこそこ、値段も高すぎない、ということで、ナチュラル・ナイロン・ポリエステルの3種類の中で、一番バランスが取れているガットです。
同じガットでも太さはいろいろ
同じ名前のガットなのに、ひとつには 1.25、もうひとつには 1.30 と書いてあったとき。
この数字はガットの太さ(単位はmm)を示していて、その太さのことは“ゲージ”と呼ばれています。
なので、このガットのゲージは1.25mmですよ、こっちは1.30mmですよ、と示しているわけです。
太さの幅は1.10から1.40くらいまでありますが、ガットの種類によって、ひとつのゲージしかないもの、3種類のゲージがあるものなど様々。
では、ゲージが違うことでどう変化するのかというと、もともと同じガットなので大きくは変わりません。
傾向として、細いとボールが飛びやすく耐久性が少し低い、太いと少し飛ばなくなるけど耐久性がアップ、くらいの認識でOK!
平均的な太さは、1.25mm または 1.30mm なので、選ぶときはどちらかにしておけば大丈夫かと。
また、ガットによっては1.25という数字以外に、”16L”や”16″と表記されていることがあるかもしれません。
これも同じくゲージのことを示している数字で、大体は1.25などと一緒に表記されています。
示し方が違うだけなので、下記のように考えてもらえば問題ありませんよ。
16L = 1.25mm
16 = 1.30mm
15L = 1.35mm
ガットのテンション = 焼き加減
3つ目の要素“テンション”というのは、ガットを引っ張る力の加減のことで、“張る”という表現を使っています。
先ほどのステーキの話に戻って説明すると、レア・ミディアム・ウェルダンみたいな焼き加減と考えましょう。
お肉は、焼かないほうが柔らかく、よく焼くと固くなりますよね。
同じように、テンションも低いほうが打感(打った感触)が柔らかくて、ボールが飛びやすくなる傾向が。
反対に、高いほうが硬い打感になり、ボールが飛びにくくなる傾向があります。
どっちがいいの?と疑問に思われるかもしれませんが、「柔らかいから美味しい」「歯ごたえがあるから美味しい」というように、個人の感じ方や好みによる部分が大きいです。
最初はミディアムな焼き加減、ようするに真ん中くらいのテンションで試してもらいたいのですが、テンションを指定するには“ポンド”という単位を使います。
お店に行けば、「何ポンドで張りますか?」
ネット購入であれば、「テンションを指定してください」
といった受け答えをするでしょう。
テニスをしている8-9割の方は、40-60ポンドの間で張っています。
なので、平均的な数字や自分の体格も踏まえて、
女性は40-50ポンドの範囲(迷ったら45ポンド)
で張るのをオススメします。
推奨テンションは深く考えなくてもOK
ラケットにはそれぞれ、適正テンション・推奨テンションが書かれていることもありますが、あくまで目安の数字です。
この範囲じゃないとラケットの性能が下がるわけではないので、安心してください。
どこで買うのが安い?張替えの時期は?
安く買うならネットだけど、、、
ガットもラケットとおなじくネットで買うことができ、ほとんどお店よりネットのほうが安いです。
ただし、ひとつ注意点があります。
ネットで買ったガットをお店などに持ち込んで張ってもらうとき、張り代(張り替え料金)が1.5倍-2倍になってしまう可能性が高いです。
なぜかというと、持ち込まれたガットが珍しかったり、お店で取り扱っていないガットだと、お店側が張るのを失敗してしまったときに保証がしにくい・やり直しできない、というのが主な理由です。
では、どうするのが一番安く買えるのか、いくつかのパターンで見ていきます。
ラケットと同じタイミングでガットも購入する場合
ネット通販で、同じショップからラケットとガットを購入すれば、張ってある状態で届くよう手配することもできるので、お得になります。
また、実店舗で購入する場合も、ラケットとガットをセットで購入すると、張り代(張り替え料金)が安くなったり無料になったり、サービスしていただけることもあります。
ネットでガットだけ購入して、お店で張ってもらう場合
事前に張ってもらう予定の実店舗を調べ、張り代(張り替え料金)を確認しましょう。
そこで、自分が買う予定のガットがあるのかどうかもチェック!
お店で購入した ガットA(2,500円)+ 張り代(1,500円)
みたいに、ネットで安く買ったのに最終的に同じ価格になっちゃう可能性もあるので、注意してくださいね。
まとめるとこんな図になります。
初めてラケットを買う場合は、同じところでガットも買って張ってもらうのが一番です!
ガットを張り替えたいときは、張ってもらうところの張り代(張り替え料金)とガットの取扱いと値段を知っておくと、安く済ませることができるでしょう。
張ってもらうところはテニス専門店がベストですが、スポーツショップでもテニスやガットに詳しい方が一人はいると思うので、困ったら相談してみてください。
どのくらいの時期・期間で張り替えるべき?
ガットというのは時間経過により、緩んできて性能が落ちてしまったり、切れて使えなくなってしまうので、張り替える必要が出てきます。
張り替えるタイミングは悩ましい問題なんですが、先に結論を言いますと、2-3ヶ月ごとに替えるのがベストです。
ボールを打っても打たなくても、残念ながらガットは緩んでいってしまうので、テニスをした回数に関係なく替えてください。
でもですね、僕がいろいろ見てきた経験でお話すると、最長6ヶ月間くらいは替えなくてもいいんじゃないかと思います。
理由として、ガットの性能が落ちていく中で、いきなりガクッと悪くなるわけじゃなく、徐々に悪くなっていくので、変化に気づきにくい + 人間が意外と慣れてしまうからです。
テニスが上手な方でも、テニスする日の環境(気温・風)や自分の調子でガットの感じ方が変わってしまうので、最初はあまり考えず楽しく打てていればOK!
「ガットを常にいい状態に維持したいのであれば、2-3ヶ月ごとに張り替える」というのだけ頭に入れておいて、あとは最長6ヶ月間くらいを目安に、
・ラケットから振動が来る気がする
など、変化を感じるようになってから替えてもいいんじゃないかなと思います。
ガット + 張り代も安いとは言えない値段だと思うので、最初はお金をかけすぎずにテニスを楽しみましょう。
何回か張り替えるうちに「このガットもうあかんわ」っていう感覚が自然とわかるようになってくるので、そこから2-3ヶ月おきに替えるようにしてみましょう。
それに何回も張り替えに行っているということは、テニスが楽しくなってきている証拠なので、そのときには自分のこだわりができているはず!
初心者の方にオススメしたい最初に張るべきガット
さいごに、最初はこれを選んでおけば間違いないってガットを紹介します。
いずれもド定番・ロングセラー(人気)のガットで、どこのネット通販・テニスショップ・スポーツ用品店に行っても取り扱っていると思うものを選びました。
まず、このガットを張ってみて硬式テニスの第一歩を踏み出しましょう!
店舗で探す場合は、パッケージの写真だけ覚えておいてくださいね。
MICRO SUPER (ミクロスーパー)
性能よし、値段よし、どこにでもある、三拍子揃った最高のガットです!
調味料でいうなら、“塩”ですかね。
ラケットの性能をそのまま引き出してくれる、素直で頼りがいのある存在。
テニスをしている人なら、一度は張ったことがあるはずです。
そんな知名度と実績ゆえに、上達してきてガットを変えてみたいなと思ったときに「今ミクロスーパーなんですけど、オススメありますか」と相談しやすいのもポイント!
MONO CX (モノ シーエックス)
(出典:GOSEN – MONO CX16L)
まずないとは思いますが、もしもミクロスーパーがなかった場合はこれを選びましょう。
ミクロスーパーと同じメーカーで、性能的にも似ていますし、耐久性もばっちりです!
軟式テニス経験者や昔ちょっとテニスしてて再デビューなど、どうしてもポリエステルを使ってみたいという方もいると思います。
それでも、個人的に最初はミクロスーパーをオススメしますが、もしポリエステルの中で使うんだったらこれにしましょう。
POLYTOUR PRO (ポリツアープロ)
(出典:YONEX – ストリング製品一覧)
初心者からプロまで使用率が高いガットです。
ポリエステルの中では、柔らかめ・そこそこの飛び・そこそこのスピン性能でありつつ、お値段も控えめと安心して選びやすいのも嬉しい。
全世界でも評判がよく人気も高いので、どこの通販・お店でも在庫があるはず。
僕も現在ポリツアープロを使っていますが、今のところ在庫切れ以外で、ポリツアープロを取り扱ってないショップを見たことないです。
ロールって何?
ガットを調べていると、”ロール”という言葉が出てくるかと思いますが、通常ガットは1回張れる長さでパッケージされています(こちらは単張りと書かれていることもある)。
その16~17回分が、まとまって1個として売られているものを”ロール”と呼んでいます。
ロールは、まとめ買いみたいなもので、1回分がパッケージされているものより安く買えるのが特徴。
同じガットを使い続けていたり、頻繁に張り替えたりする人は恩恵があるでしょう。
まとめ
いろいろと用語を使いながら解説しましたが、なんとなーくわかった気になれれば大丈夫です!
そして、この記事で覚えておいてほしいのは、
あとはコートに出て、ボールを打ちテニスを楽しむ
以上!
楽しいテニスデビューに少しでもお手伝いできていたら嬉しいです。