みなさんは、どんな目的を持ってテニスをしていますか?
試合で勝つため?
みんなでワイワイ楽しむため?
いろいろあると思いますが、目的によって道具選びも変わりますよね。
テニスラケットで言えば、勝てるラケットなのか、打ってて気持ちいいラケットなのか。
僕はどっちも諦めたくない性分で、打感がよくて飛びもある「ボックス形状のテニスラケット」を探し回っています。
なので、この記事ではピュアドライブ・ピュアアエロなど、ラウンド形状のテニスラケットは取り上げません。
基準となるラケットを設定して、ボックス形状という枠の中で、インプレ・比較・感想を述べていきます!
- ボックス形状のテニスラケットとは、しなり感があり柔らかな打球感をもたらすラケット
- ブリヂストン VX305の評価【#究極のノーマル】
- ブリヂストン BX305/300の評価【#至高の打感】
- バボラ ピュアストライク16×19/100の評価【#撃ち抜く覚悟】
- プリンス グラファイト100/107の評価【#まるで第三の手】
- ヘッド プレステージツアーの評価【#蘇ったオーバーサイズ】
- ヨネックス VCOREPRO 100の評価【#懐の深さは無限大】
- ヘッド グラビティMPの評価【#打つは易く続けるは難し】
- ウイルソン ブレード98(16×19)/100の評価【#テニスを整える】
- ウイルソン クラッシュ98の評価【#現代のサーブアンドボレーヤーに捧ぐ】
- ヘッド スピードMPの評価【#その道具、凶暴につき】
- 【ラケット評価のまとめ一覧】ボックス形状のラケットは最高だ
ボックス形状のテニスラケットとは、しなり感があり柔らかな打球感をもたらすラケット
そもそもボックス形状とは、テニスラケットのフレーム断面形状の一種です。
- フレームに角があり、四角くなっている = ボックス形状
- フレームに角がなく、楕円形になっている = ラウンド形状

という違い。
ボックス(=箱型)形状は「ボールの打感」がいい
ボックス形状は、ボールを打ったときの感覚に優れています。
ボールが当たった瞬間にフレームがしなるため、一度ラケットにくっついてから飛んでいくような感覚。
そのため、ボールをコントロールしやすく、狙ったところに打てるのがポイント。
ラウンド(=円形)形状は「ボールの飛び」がいい
一方で、ラウンド形状は、ボールを飛ばすパワーに優れています。
ボールが当たってもフレームはしならず、弾くように飛んでいく感覚。
そのため、速いボールを打ちやすく、相手の時間を奪えるのがポイント。
なぜボックス形状のテニスラケットの心惹かれるのか
ボックス形状の魅力である打感をもたらす「しなり」ですが、言い方を変えれば、
- ラケットの「ぶれ」につながる
- パワーをロスしている
というデメリットもあります。
それでも僕がボックス形状のテニスラケットを選びたいのは、打ったボールの感触を正確に知りたいから。
ボールスピードだけで言えばラウンド形状には敵わないことは事実。
ただ、フレームに使われる素材や製作技術の進化によって「ボックス=飛ばない」というデメリットも解消しつつあります。
というのも、最近はボックス形状の中でも、
- 角が丸めのボックス
- 半分ボックス+半分ラウンドで「アルファベットのD」みたいな形状
も登場しています。
「部分的にボックス」+「部分的にラウンド」と組み合わさったモデルも見かけますね。
なので、打感のいいプレステージツアー形状のテニスラケットに絞って、そこから飛びの良さやスピン性能などを比較したインプレ・感想を書いていきます!
【参考】評価基準となるラケットと自身のプレースタイル
評価基準となるラケットは、普段から使っているブリヂストン「VX305」。
ラケットの性能については、すぐ下で語っているのでここでは割愛しますね。
プレースタイルは、
コンチネンタルのフォアハンド+両手バックハンド(どちらもスピンは少なめ)。
ただただ好き。ボレーが一番楽しい。
スライスとスピンがメイン。フラットはあまり打ちません。
「ストロークと比べて、ネットプレー・サーブのほうがマシ」という、自称“ネガティブ”サーブ&ボレーヤーです。
ブリヂストン VX305の評価【#究極のノーマル】

ブリヂストン VX305は、「ただ単純に、ありのままの実力でテニスができる」ラケットだと感じました。
優れていた点
すべてのショットが、自分の実力どおりに表現されます。
わずかな弾き感があるので、最低限のアシストはありますが、基本的には飛ばないラケット。
でも、そこがいい。
逆に言えば、際立った性能がないゆえに、打ちにくいと感じるショットもないです。
難しかった点
大きなアシストがないので、楽にテニスをしたい人とは相性が悪いかも。
苦手をごまかしてはくれませんが、さらなる練習へと向かわせてくれるとも言えます。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
しばらく使い続けていることもあり、扱いやすさはピカイチ。
ただ、ものすごくノーマルな性能+評価基準ということで、すべて「3」としました。
古いモデルなので在庫も残りわずかですが、気になる人はぜひ!
ブリヂストン BX305/300の評価【#至高の打感】

ブリヂストン BX305/300は、「快適な打感と道具選びにこだわる」人にぴったりなラケットだと感じました。
優れていた点
なんといっても、打感がすばらしい。
手に伝わる感触はクリアなのに、硬さや振動ががほとんどありません。
305はしなり感がより強く感じられるので、スライスショットが打ちやすいです。
一方で300はフレームにしっかり感があり、305よりもボールの飛びに優れています。
難しかった点
サーブやぎりぎり追いついたときなど、自分から力を込めないといけない場面ではパワー不足を感じました。
スピードが出にくいので、自身のコントロール技術が試されているなと。
ただ、ブリヂストンのラケットは「カスタマイズサービス」を利用して、自分好みのラケットに調整できるので、もう少しパワーが出るスペックにするといいかもしれません。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
かんたんにプレーできるラケットではないですが、今まで打ってきたラケットの中で、一番好きな打感です。
BX300であれば、すべてのショットがバランスよく打てるので、打感の気持ちよさを求める人は検討してみてください。
バボラ ピュアストライク16×19/100の評価【#撃ち抜く覚悟】

バボラ ピュアストライク16×19/100は、「ラケットを振り抜いて、ボールの威力で相手を押していきたいストローカー」にぴったりなラケットだと感じました。
優れていた点
弾き感と球持ちのいいとこ取りです。
16×19は、球持ちの中に弾き感。
100は、弾き感の中に球持ちがあります。
どちらにも言えるのは、スピン性能はそれなりで、ストロークは直線的に飛んでいくフラットドライブがメインになるかと。
難しかった点
スイングしきれないと、中途半端なボールになってしまいがち。
あまりスイングしないボレーでは、弾きのよさが活かされます。
一方で、リターンやディフェンス場面など、振り切れないときは距離の調整が難しく、アウトになってしまうことが多くありました。
ピュアストライクの性能を引き出すには、しっかりスイングすることが求められそう。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
しっかりスイングできたときは、ラケットの持つパワーと相まって、弾丸のようなボールが打てます。
なので、もっとストロークが上手い人が使うと、相手をコート後方へ押し込めるようなボールが打てるんじゃないかと。
威力のあるボールで攻めていきたい人は、いかがでしょうか。
プリンス グラファイト100/107の評価【#まるで第三の手】

プリンス グラファイト100/107は、「コントロールを軸に、相手を追い込んでいける」ラケットだと感じました。
優れていた点
面の安定性がすごい。
打球時のラケットのブレはほとんど感じられず、どんなボールが来てもしっかり返球できます。
また、スピン性能が高く、ストロークの弾道が上がったのも印象的でした。
難しかった点
ラケット自体のパワーが少ないです。
普段使っているVX305の感覚で打つと、全然飛ばなかった。
特に100インチは、今販売されているラケット中でも屈指のハードスペックだと思います。
107インチになると、サーブやボレーなどにもパワーが感じられるので、ダブルスに向いているかと。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
クラシック感のある打感と面の安定性に優れたラケットですが、扱うには自分のパワーが必要だと感じました。
ちゃんとスイングできれば、スピンのかかった伸びのあるボールが打てるラケットなので、昔ながらのラケットが好き+少し楽をしたいみたいな人に、ぴったりのラケットになるのかと。
目安として、
100インチ:ほかのラケットでいう90インチ
107インチ:ほかのラケットでいう97インチ
くらいのパワーだと考えてもらうと、選びやすくなると思います。
ヘッド プレステージツアーの評価【#蘇ったオーバーサイズ】

ヘッド プレステージツアーは、「早いタイミングでガンガンスイングして攻められる」ラケットだと感じました。
優れていた点
プレステージらしい柔らかな打感は健在です。
フルキャップグロメットのならではの、掴んで飛ばす感じがいいですね。
また、意外なほどボールが飛んでくれます。
そこまでスピンがかからずに飛んでいくので、フラットで低い弾道のボールを打つ人と相性がいいはず。
難しかった点
ループボールなど、しっかりスピンがかかったボールを打つのは難しい。
18×19というストリングパターンからもわかるとおり、スピン性能にはあまり期待しないほうがいいです。
むしろ、このラケットでスピンをかけてしまうのはもったいない。
ライジングなど速いタイミングでボールを捉え、どんどん攻めるべきでしょう。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
99インチの18×19という組み合わせは、パワーとコントロールが両立した絶妙なスペックだと思いました。
この両立している感覚で思い出すのは、アガシが使っていた頃の「ラジカルOS」。
「プレステージ」シリーズではありますが、現代の技術を駆使して、今の時代向けにラジカルOSを再構築してみました。みたいなラケットにも感じられます。
ヨネックス VCOREPRO 100の評価【#懐の深さは無限大】

ヨネックス VCOREPRO 100は、「安定感重視で、いろんなショットを打ち分けたい」人向けのラケットだと感じました。
優れていた点
ボックス形状の中では、弾き感があります。
なので、スピードがあるボールも打てますし、つかむ感じも利用した高弾道なスピンボールを打つこともできました。
ストロークで、ボールが短くなりにくいのも◎。
難しかった点
使いにくいなーと感じるショットはほぼなかったのですが、唯一上げるとしたらフラットサーブ。
僕の技術不足の可能性大ですが、フレーム厚が薄めで100インチのラケットは、まっすぐ飛ばすフラットサーブと相性が良くない気がします。
VCOREPROに関しては、回転系サーブはスライスもスピンも、どちらも打ちやすかったので、個人的にはあまり問題にはなりませんでした。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
ボックス形状ならではの打感と、適度に弾く感覚は、安定感があるスピンボールが打ちやすかったです。
いろいろなボールが打てる器用さが目立つので、戦略的なストローカーにはたまらないかと。
受け手になってみても、いいボールが来るなと感じたので、質の高いボールを打ちたい人にオススメです。
ヘッド グラビティMPの評価【#打つは易く続けるは難し】

ヘッド グラビティMPは、「攻めたり、守ったり、メリハリを付けたボールを打ちたい」人向けのラケットだと感じました。
優れていた点
平均的なパワーがあるつつ、スピン性能が◎。
コントロール系のラケットなので、かんたんには飛ばないけど、意外にもスピンはかけやすく感じました!
ストロークでボールをしっかり捉えられたときは、ラケットスペック以上のパワーにあります。
一番気に入ったのは、サーブの打ちやすさ。
軽く振ってもボールが伸びるし、回転系サーブもバッチリ打てました。
難しかった点
ボールが安定しにくい。
ストロークだけ、ボレーだけ、と同じショットを打ち続けているときはボールが安定します。
が、試合のように、いろんなショットを打ち分けるとなると、しっかりボールを捉えるのが難しくて、ラケット自体に慣れるまでに時間がかかりそうです。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
扱うのが少し難しい場面もありますが、高いポテンシャルを秘めたラケットだと思います。
いろんなラケットに浮気せず、これと決めたらじっくり使い続けられる人には、大きな武器となる一本になりそう。
一球一球に集中して、ボールをコントロールしたい人にオススメします!
ウイルソン ブレード98(16×19)/100の評価【#テニスを整える】

ブレード98(16×19)/100は、「ショットの安定感に優れ、自分の組み立てたプレーができる」ラケットだと感じました。
優れていた点
以前のブレードよりもボールの飛びがいい!
コントロール性能が高く、どんなプレーにも対応できるクセの無さが特徴。
回転系サーブ(スライス・スピン)でも減速しにくく、狙ったところに打ちやすかったです。
難しかった点
ものすごいカウンターショットや、一撃でエースを取るような派手なショットは打ちにくい。
打てなくはないですが、元々の打てる実力がある人に限られ、ラケットがアシストしてくれるわけではないです(僕の実力では厳しい)。
現在愛用している「ブリヂストン VX305」と似ていて、自分のプレー(実力)がよくわかるテニスラケットです。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
ほかのラケットと比べて特出した内容はないのでオール3にしましたが、自分が意図したとおりにボールコントロールしやすいのがポイント。
ショットが安定することで堅実なプレーできるので、試合によく出る人向きではないかと。
もし、パワー不足が心配な人は「ブレード100」がオススメ。
98のコントロール性能をできるかぎり維持しつつ、パワーアシストのあるラケットに仕上がっています。
ウイルソン クラッシュ98の評価【#現代のサーブアンドボレーヤーに捧ぐ】

クラッシュ98は、「ストロークよりも、サーブとボレーで勝負したい」人向けのラケットだと感じました。
優れていた点
「粘るようなしなり」と「カッチリした打感」が共存した、ほかにないテニスラケットです。
タッチ感に優れ、スライスやボレーの感触が抜群。
スピンも意外とかかるので、スピンサーブがいつもより弾んでくれました!
難しかった点
フレーム厚はありますが、よくしなる分、思っているほどボールは飛びません。
フラットサーブや威力のあるショットを打つのは難しい。
ストロークに関しても、攻めるより守るほうが向いていると感じました。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
ラケットスペックも打感も、ほかに類を見ない少し変わったテニスラケットです。
球持ち感がいいので、スピンとタッチ感を重視する人は、ぜひご検討を。
回転系サーブを軸に、守るストロークとコントロールしたボレーで攻めたいプレーヤーにオススメの一本です!
ヘッド スピードMPの評価【#その道具、凶暴につき】

スピードMPは、「ボールの勢いを活かしてアグレッシブなプレーがしたい」人向けのラケットだと感じました。
優れていた点
このフレーム厚からは想像できないほどのパワーがポイント。
とにかくストロークが打ちやすくて、自分の実力を勘違いするほどのボールが打てました。
スピン性能もそこそこあって、サーブ・ストロークで「ハイスピード」なショットが可能です!
難しかった点
よく飛ぶこともあり、緊張した場面でも振り切れるかが大切になります。
僕の場合ですと、あまりスピン系のストロークではないので、短く来たボールを持ち上げるときに怖さを感じました。
各ショットの5段階評価
ストローク:
ネットプレー:
サーブリターン:
今まで打ってきたコントロール系のラケットの中で、一番のパワーを感じました!
「とりあえず」なショットでもしっかり返球でき、コートのどこからでも攻守が可能なテニスラケットです。
フラットで攻めるのもいいですし、ひたすらストロークを打つだけでも相手の脅威となるでしょう。
【ラケット評価のまとめ一覧】ボックス形状のラケットは最高だ
ストローク | ネット プレー | サーブ リターン |
VX305 | ||
3 | 3 | 3 |
BX305/300 | ||
4 | 3 | 2 |
ピュアストライク100 | ||
4 | 4 | 3 |
グラファイト100/107 | ||
2 | 3 | 2 |
プレステージツアー | ||
4 | 3 | 3 |
VCORE PRO100 | ||
5 | 4 | 4 |
グラビティMP | ||
3 | 3 | 4 |
ブレード98(16×19)/100 | ||
3 | 3 | 3 |
クラッシュ98 | ||
3 | 5 | 5 |
スピードMP | ||
5 | 3 | 4 |
ボックス形状のテニスラケットを打っていると、ボールの飛びの差はあれど、「打球感の良さはやっぱりラウンド形状にはない」ものがあります。
今販売しているラケットなら、飛ぶとか飛ばないとかは、ガットである程度の調整が可能。
また、「ボールの速度に頼らない」といった制限の中で上達を目指すのも、ひとつの楽しみ方なんじゃないかなーと思ったり。
ボックス形状のラケットにしか興味がない僕の「超個人的な評価まとめ」になりますが、気になるラケットがあれば参考にしてみてください!