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シューズ担当だった元店員が、テニスシューズの選び方・履き方を一から解説します

最近はケガせず、テニスを楽しめていますか?

つまずきやすかったり、なんか足が疲れやすい方は、シューズの選び方・履き方に原因があるかもしれません。

個人的に、テニスはボールとの距離感が大切なので、ラケットよりシューズの方が上達に関わってくると考えています。

今回は、スポーツ用品店のシューズコーナー担当だったときの経験を交えて、テニスシューズの選び方から正しい履き方までご紹介しつつ、いい加減にシューズを選んだ・履いたことが原因で、救急車で運ばれることになった僕の話をしたいと思います。

そもそもテニスシューズとは

スニーカーやランニングシューズとの違い

スニーカーやランニングシューズはオシャレですし、最近は高機能でクッションもいい。

ぱっと見た感じでは、そんなに変わらないシューズもあります。

ただそれらとテニスシューズが決定的に違う点は、横への動きが想定されていないということです。

テニスは前後よりも反復横跳びのように左右に動くことが多いため、横への動きが想定してあるシューズでないと、止まろうとしたときに脚が横に流れてしまって、捻挫の原因になったりします。

テニスシューズの外側は脚が流れていかないよう硬めになっていたり、内側はスライドしたときに穴が空きにくいように補強してあったり、各メーカーが力を入れている部分なので要チェックです。

オールコート、オムニクレー、カーペットって何?

これはテニスという競技の特徴とも関係しています。

テニスは、コートの大きさは決まっていますが、コートのある場所(地面)は、樹脂や人工芝、土など数種類ある珍しい競技。

コートの地面の種類=「サーフェイス」と呼ばれていて、

日本国内では、ほとんどのコートが

  • ハードコート(樹脂素材)
  • オムニコート(人工芝)
  • クレーコート(土)
  • カーペットコート(じゅうたんのような素材)

の4つのサーフェイスとなっています。

テニスシューズの名称に書かれている「AC」「OC」というのは、

AC = AllCourt(オールコート)
OC = Omni・Clay(オムニ・クレー)

の略で、このサーフェイスに適したシューズという意味。

オールコートとは、文字通りどのコートでも対応しているシューズです。

ハードコート用はあるにはあるのですが、少しマニアックな商品なので、一般的にオールコート用がハードコートで使うシューズとなっています。

サーフェイスごとに、フットワークやボールの跳ね方にまで影響を及ぼすくらいの特性があるので、それぞれの特性に合わせて、テニスシューズを履き替えることが望ましいです。

大体の方は、

ハードコートではオールコート用
オムニやクレーコートでは、オムニ・クレー用

と使い分けていますね。

初心者の方にオススメしたいのは、オールコート用です。

始めたばかりは、ラケットなど色々とお金がかかるので、シューズを何足も買って使い分けるのは結構な負担になってしまいますよね。

オムニやクレーでもオールコート用の方が使いやすいという上級者の方もいるので、決して器用貧乏なオールコート用ではありません!

まずはオールコート用を買って、動けるようになってきたら改めて動きやすいシューズを選べば大丈夫です。

絶対にやってはいけないのが、オムニ・クレー用のシューズをハードコートで使うこと。

止まりやすくなりすぎて、動くたびに足に何かがひっかかるような感覚になってしまいます。

転倒の原因になりますし、ハードコートは地面が硬いので大きい怪我につながる可能性大!

購入するときに、選ぶ種類を間違えないようにしましょう。

耐久性はどれくらい?

メーカーによって耐久性に差はあるのかというと、ほとんど無いです。

一般的な目安として、内側に穴が空いてきたり、ソールのつま先やかかとが削れてきたり、そういった消耗が買い換えのタイミングです。

最初のうちは、そこまでの状態になることは少ないですが、日本は高温多湿なこともあり、すごく長持ちはしません。

ここで説明してしまうと長くなってしまうので、詳しく知りたい方は「シューズ 加水分解」でググってみてくださいね。

快適にテニスをするためにも、長くても2年ほどで取り替えていくのがいいかなと思います。

シューズがボロボロにならなくても、素材が伸びてしまったり、小さいダメージが蓄積していきますので。

テニスシューズの選び方

ここからは、選び方と履き方の2項目に渡って、ベストなテニスシューズを見つける方法をご提案します。

ワイズ(足囲)を参考にしよう

シューズを選ぶときに、2Eや4Eといった文字を見たことはありませんか?

これはワイズ(ウィズと書いてあることもあります)という「足の親指から小指の付け根を通って一周した長さ(足囲)」の規格のことです。

JISで決められた規格なので、メーカーごとに差はありません。

一周の長さを測って出た数字と、足長(つま先からかかとまでの長さ)によって、
A・B・C・D・E・2E(EE)・3E(EEE)・4E(EEEE)・F・G
という表記のどこかに当てはまります。

Aが一番細く、Gが一番広いです。

男性と女性と、それぞれ規格があり、2Eあたりが標準的な幅ですね。

そのため、シューズも大体がD-4Eの範囲で作られています。

Dは細めとして、4Eは幅広(ワイド、スーパーワイド)として販売されているので、参考に選びましょう。

足を計測してみよう

できるのであれば、近隣のテニスショップやスポーツ用品店に行って、計測してみてください。

一度も計測したことがない人は特にです。

なぜかというと、接客していて、一度も計測したことないけれど「幅広なんです」「甲高なんです」とおっしゃる方が多かったからです。

これは多分、スニーカーを履いたときに細くて履きにくかった経験から「自分は幅広なんだ」と考えてしまっているかもしれません。

ニューバランスやプーマといったスニーカーの類は、サイズの基準が海外なので、Dワイズあたりで作られているのがほとんど。

そのため日本人標準のEや2Eの人でも、キツく感じてしまいがちなんですね。

だからこそ、実際に計測してもらうことで、自分の正しいサイズを知ってほしいんです。

専用の機械を使った足型計測をするイベントがおこなわれていたり、そういった機械が常設されていたら、ぜひ受けてみてください。

サイズ以外にも、足の形や足裏の荷重位置など自分の癖がわかったり、専門のアドバイザーから自分に合った歩き方や走り方の話も聞けますよ!

あと、テニスシューズに限った話ではないですが、試し履きに行くのは午前中は避けてくださいね。

1日を過ごしている中で、身体を支えることで土踏まずのアーチが落ちたり、浮腫んだりして、朝起きたときよりも、午後の方がサイズが多少大きくなるからです。

午前中にピッタリのサイズを選んでしまうと、夜はキツいなんてこともありますよ。

自分で測る方法もあります

近くに計測をしてもらえる店舗がない、という方は自分でも測ることができるのでやってみましょう。

アシックスの【足のサイズ測り方】が、一番わかりやすくオススメです。

ワイズの表も掲載されているので、自分のサイズを調べてみてください。

正しいシューズの履き方

履き方がわかると、テニスシューズ選びのとき失敗を減らせます。

そしてなにより、怪我をしたり足を痛める可能性も減らせるので、しっかり取り組んでみてくださいね。

かかとのフィッティングが大切

椅子などに腰掛けて、履いていきましょう。

履き方

①履く前に、これくらい全体的にひもを緩めておきます

②シューズに足を入れ、かかとを地面に軽く2,3回トントンします
③緩めたひもを、つま先の方から順番に締めていきます
④上まですべて締め終わったら、ほどけないように結びます。

以上が履き方で、ここから先は、履いている状態でチェックすることリストです。

チェックポイント

・立ち上がって、その場で足踏みしてみましょう(できるなら、少し歩いてみましょう)
その時に、かかとが浮いたり動いたりしませんか?
・つま先に、0.5-1cmくらいの余裕があり、指が少し動きますか?
テニスはつま先重心になることが多いので、指が動かないと、踏み込んだり、踏ん張ったりしにくくなってしまいます。
・親指の付け根がシューズの側面から圧迫されたり、小指が薬指に食い込みすぎていませんか?

この辺りで問題がなければ、おそらく大丈夫です。

横幅が合っているかどうかは、ひもを通す穴でおおよその判断ができます!


この写真のように、シューズのひもを通す穴の左右が、平行になっているのならバッチリです。

これがハの字だと、そのシューズは少し幅広かもしれません。
もう少し細いのを選びましょう。

逆ハの字だと、少し幅が狭いかもしれません。
もう少し広いのを選びましょう。

試し履きするときはもちろんですが、テニスをする前も毎回同じように履いてくださいね。

小さなことと感じるかもしれませんが、捻挫の原因になったり、フットワークに影響が出たりしますよ。

このひも穴を使ってますか?


写真のように、隣にもう一つひも穴がありますよね。

すべてのシューズにある穴ではないのですが、この穴には、シューズをよりフィットさせるための役割があります。

 

使い方は、ひもを内側からでなく外側から通します。

そうすると通し切る前に、このようなループができますよね?

そこに同じように通した反対側のひもを通します。

あとはいつも通り締めていって、結ぶだけです。

より上の方まで締めることができ、特にかかとをしっかりフィットさせることができるので、みなさんも試してみてください。

シューズの種類やメーカーの特徴

サーフェイスごとにテニスシューズが変わるとお話しましたが、それぞれの中にも大きく分けると2種類のテニスシューズがあるんです。

がっちり系としなやか系

多分こういった呼び方をしている人はいないと思いますが。笑

説明しやすいので、ここではそう呼ばせてください。

最近のテニスシューズを見ていると、ほとんどのメーカーが、がっちり系としなやか系の2種類をメインとして開発されている気がします。

それぞれの特徴として、

がっちり系
しっかり止まれて、構えて打つのに向いている
激しい動きにも耐え、横のフットワークに強い

しなやか系
すばやく動いて、とっさの動きにも対応しやすい
一歩の移動が軽快で、前後のフットワークに強い

といった感じで、例えるなら、

力強く踏み込んで切る侍

隠密行動で速さが命の忍者

みたいなイメージで考えてください。

どちらを選ぶかは、テニスのレベルに関係なく好みの問題ですが、初心者の方には、しなやか系をオススメします。

理由として、がっちり系はしなやか系に比べるとシューズ自体が少し重たく、疲れやすいかもしれないからです。

上達してきて、止まるときに物足りなくなってきたら、がっちり系にチャレンジしていきましょう!

個人的にオススメするメーカーのランキングと各メーカーのモデル

1位: アシックス

これ1位に選んだのは、どのショップにも置いてある可能性が高いから。
試し履きしやすいですからね。

あと僕は足首が細いので、上で書いたひも穴を使うと、どのシューズよりもかかとが一番ピッタリするのがお気に入りです。

がっちり系なら、ゲルレゾリューション

しなやか系なら、ソリューションスピードFF(旧ゲルソリューションスピード)

追記:各シューズについて、もう少し詳しく知りたい方は、下記の履き比べたみた記事をご覧ください!

 

2位: ニューバランス

同じデザインのまま、ワイズが違うものが選べるのが一番の特徴!

アッパーの素材が豊富で、疲れにくいクッション性が履き心地を高めています。

がっちり系なら、MCH1296
(追記:2019.06.23)1296モデルが廃盤となったため、新しく登場した“FRESH FOAM LAV”に置き換えました。

NEW BALANCE(ニューバランス)テニスシューズ FRESH FOAM LAV
created by Rinker

しなやか系なら、MCH996(オールコート) MCO996(オムニクレー)

シューズを新調する際に、いろいろと履き比べながら、調べてみたので、こちらも読んでみてください!

3位: ヨネックス

少し前まで野暮ったいイメージありましたが、デザインがかっこよくなりました。

ラケットがヨネックスの方は、お揃いにしてもいいですね!

ガシガシ動く友人いわく、耐久性もあり安定するとのこと。

機能性と履き心地のバランスもよく、個人的に「パワークッション フュージョンレブ」は、最近のテニスシューズの中で一番優れたモデルじゃないかなと思っています!

がっちり系なら、パワークッション エクリプション

しなやか系なら、パワークッション フュージョンレブ

追記:その友人に感想と比較をしてもらいました!
YONEXのテニスシューズが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください!

 

4位(同率): ミズノ

前まで全く印象になかったのですが、最近試し履きして、とても良かったです。

足全体を包み込む感じと、しっかり締めて支えてくれる力のバランスが優れていると感じました。

がっちり系なら、ウェーブ インテンス

しなやか系なら、ウェーブ エクシード

 

4位(同率): アディダス

どっしりした安定感を求めるならアディダスですね。

それでいて、以前より軽くもなったので動きやすい!

マルチソールはまだ履いたことないけど、気になってます。

がっちり系なら、アディバリケード

しなやか系なら、ウーバーソニック

追記:マルチソール買って履いてみました!オススメです!

 

6位: ナイキ

デザインや色使いなど、見た目はナンバーワンですね。

なるべく無駄を削ぎ落とした機能性と、シューズの軽さが特徴です。

実店舗であまり売っておらず、少しオススメしにくいので6位としました。

ただし、後述しますが、公式サイトはサイズ交換が簡単なので、ネットではかなり買いやすいです。

がっちり系なら、エアズーム ヴェイパー

しなやか系なら、エアズーム ケージ

 

安く買うには、時期を知るべし

実店舗とネットショップでは、ネットのほうが安く、どうしても価格の差が出てきます。

元店員としては、
同じシューズの26.0と26.5を比べてみたり、
違うシューズの26.0同士を比べてみたり、
その場で履き比べることができる実店舗をオススメしたいです。

これはネットで買うときにはできないことですし、次に買うときも、顔なじみの店員さんがいれば相談しやすくなりますし。

なので多少高くても、実店舗で買ってほしいですが、そうはいっても少しでも安い方がいいですよね。

そこで、時期によって、ネットショップとの差額が縮まるタイミングがあることを知っておきましょう!

テニスシューズの販売傾向として、半年に1回くらいのペースで新しいモデル・カラーが発売されます。

その発売の前後に、以前のモデルが安くなることがあるので、在庫は少ないですが、そのタイミングが勝負です。

キーワードとして、「SS」「FW」を覚えておいてください。
SS = Spring・Summer(春・夏)
FW = Fall・Winter(秋・冬)「2019FW」みたいな表記があると思います。

これは、2019年の秋冬モデルという意味です。

秋冬モデルが販売される前後で、2019SS = 2019年の春夏モデルが安くなるという仕組みです。

10月・11月あたりの時期は、FWの商品の入荷が始まるため、その年のSSのモデルが安くなったりしますよ。

やりがちなのが、今履いてるシューズがボロボロなのに、安くなるまで待つこと。

そういうときに限って、シューズが原因で怪我してしまったりしますし。

本来のいいテニスシューズを買うという目的を忘れず、タイミングが合ったらラッキーくらいで考えましょう。

買いたいタイミングで買って、それが自分に合ういいシューズだったなら、安くなったときに次に履くシューズとして、もう一足買っておく。なんて買い方がいいかもしれません。

人気のモデルやカラーは安くなる前に無くなりますし、そもそも安くならないこともあるので、過度な期待は禁物ですよ!

ネットで買うときの注意点

履いたことがあるモデルであれば失敗しにくいですが、初めて買う場合などは、もし合わなかった場合のことも考えて購入しましょう。

最近は、返品やサイズ交換をOKしてくれているショップが増えてきたので、購入前に一度確認してください。

例えばAmazonの場合ですと、
Amazon.co.jpが発送する商品の返品・サイズ交換が可能。
返送料は無料。ただし一部条件あり。

とのことです。
参考:(交換について

在庫がないときは公式ショップをチェック

店舗にも無かった。
Amazon・楽天・yahooも探したけれど見つからない。

そんなときは、各メーカーの公式オンラインショップで探してみましょう!

経験上、意外とサイズが残ってたりするのでオススメです。

こちらもサイズ交換に関して調べてみたので、参考にどうぞ。
詳しい条件は、リンクよりご確認ください。

ナイキ

一部商品を除き、出荷日より30日以内であれば返品・サイズ交換が可能(7日以内の商品もあり)
NIKEの返送ラベルを使用すれば、返送料が無料になる
参考:(Nike.comで購入した製品は、交換できますか?

アディダス

購入時に返品可能マークが表示されていた場合のみ、商品到着から30日以内は返品可能
返送料は負担あり
サイズ交換はおこなっておらず、再度注文する
参考:(返品・交換について

アシックス

未使用品のみ、返品・サイズ交換可能
商品到着後14日以内に手続きをする
返送料は負担あり
参考:(返品・交換について

ニューバランス

未使用品に限り、7日以内であれば可能
返送料、振込手数料は負担あり
サイズ交換はおこなっておらず、再度注文する
参考:(返品について

ミズノ

室内で試し履きのシューズのみ返品可能
商品到着から7日以内であること
返送料は無料
サイズ交換はおこなっておらず、再度注文する
参考:(返品・交換・返金について

ヨネックス

残念ながら、公式オンラインショップなし

正しい選び方、履き方をしないと命に関わるかも

冒頭でも触れましたが、なぜシューズの選び方が、救急車で運ばれることとつながるのかという話です。

3年ほど前になりますが、当時の僕は、シューズ選びの重要性を知っていたのにもかかわらず、
好きな選手と同じモデルで、サイズも普段のスニーカーと同じものを、軽ーく試し履きしただけで選んでしまいました。

今考えると、足長もワイズも少し大きいし、かかとのフィット感もあまかったです。

そしてあるテニスの日、遅刻しそうで急いでコートに入りました。
バタバタしながらウォーミングアップ。

そのあとは、たしか普通にラリーしていたのかな?

でも気づいたら病院にいました。

頭が痛くて病院で目が覚めて、一緒にテニスをしていた友人や色んな人にご迷惑をおかけました。

後頭部を強く打ったらしく、これから訪れるかもしれない後遺症などの症状が書かれた紙を渡されて、そのあとも、検査のために何回か病院に通いました。

友人がいうには、何かにつまづいたように転んだらしいのですが、なにしろ前後の記憶が無いので、どう転んだかも覚えてない。

オムニコートでこんな感じなので、ハードコートだったら、間違いなくあの世行きでしたね。

自分は大丈夫と思うかもしれませんが、僕もそう思っていました。笑

「まさか」が突然やってきて、僕みたいに頭を打たなくても、手や足を怪我して、仕事など日常生活に影響が出てしまうかもしれません。

そういった方が一人でも減って欲しいので、今回のシューズ選びと履き方の内容を書きました。

テニスをする上で、

・自分に合ったサイズを知り、コートに適したシューズを選ぶ
・面倒くさくても、シューズを毎回きちんと履く

これだけはしっかり守って、テニスを楽しみましょうね!

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